最高裁判所第一小法廷 昭和49年(オ)1054号 判決
上告人 最高検察庁検事総長 布施健
右補助参加人 A
右補助参加人 B
右補助参加人両名訴訟代理人弁護士 内藤頼博
古澤博
横山正一
副聡彦
上田弘毅
被上告人 C
右法定代理人親権者 D
右訴訟代理人弁護士 秋根久太
主文
原判決を破棄する。
上告人の控訴を却下する。
控訴費用及び上告費用は上告人補助参加人らの負担とする。
理由
職権により調査すれば、本件第一審判決は、昭和四八年三月三〇日言い渡され、同判決正本は同年四月二日上告人に、同月五日上告人補助参加人らの第一審訴訟代理人横山正一にそれぞれ送達され、上告人補助参加人らは、同年四月一八日控訴状を原裁判所に提出して控訴申立をしたものである。
しかしながら、補助参加人は、その補助参加の性質上被参加人のために定められた控訴期間内にかぎって控訴申立をなしうるものであるから、補助参加人の控訴申立は、たとえ補助参加人に対して判決が送達された日からは控訴期間内であっても、既に被参加人のために定められた控訴期間経過後になされた場合には、右控訴申立は不適法として却下を免れないと解すべきことは当裁判所の判例とするところである(昭和三六年(オ)第四六九号同三七年一月一九日第二小法廷判決・民集一六巻一号一〇六頁、昭和四〇年(オ)第六〇六号同年一二月九日第一小法廷判決・裁判集民事八一号三五五頁、昭和四〇年(オ)第一三八一号同四一年三月四日第二小法廷判決・裁判集民事八二号六六一頁参照)。したがって、被参加人のための適法な控訴期間後になされたことの明らかな補助参加人らの本件控訴申立は、たとえ補助者加人らに判決が送達された日から起算して控訴申立期間内になされたとしても、不適法として却下すべきものであるところ、これと異なる見解のもとに控訴棄却の本案判決をした原判決は違法であり、破棄を免れない。
よって、民訴法四〇八条、九六条、八九条、九四条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 藤林益三 裁判官 下田武三 岸盛一 岸上康夫 団藤重光)
上告補助参加代理人内藤頼博、同古沢博の上告理由〈省略〉